第9話 『恋愛の痛痒』
■一夏と舞夏
蛍子からメール
一夏「舞夏ちゃんも一緒に行きましょう」
舞夏「え?
いいの?」
一夏「はい。 私がおかしな事にならないように、見張ってて下さい…」
舞夏「あっ…」
舞夏、震え、目線を落とす。
舞夏「…お願い一夏…、あたしをそんな目で見ないで…」
一夏「えっ…」
舞夏「たしかに、あたしは鏡から出てきたし、あやしいよね…。
体だって、普通じゃないって気が付いてたと思う。
でもね! あたしはおかしなヤツだけど、それでも!…、一夏の友達でいたいの…」
一夏「舞夏…ちゃん…」
舞夏「この夏の間だけでいいの…。 友達でいさせて…。 お願い…」
一夏、モノローグ。
舞夏ちゃんは、まだ私に隠している事があるようでした。
いえ、それは私自身もそうだったのです。
■沙耶を気にする一夏
一夏「沙耶、さん…」▼
■セミ
舞夏「セミ? 殻が引っかかってるみたいだね」
一夏、モノローグ。
その、あがいているセミの姿は、どことなく、なんとなく、その時の私自身に似ている、そんな気がしていました。
舞夏「一夏?」
一夏、セミの手助け。
一夏「あなたも頑張って」
■未知留
未知留視点、一夏の目が赤くなる。
未知留「あっ…」
驚く未知留。
もう一度一夏が映ると、元の青い目。
未知留「一夏…ちゃん…」▼
未知留、電車を見送る。
未知留「気のせいだといいんですが…」
■皐月
皐月「あーあ。 子供って、一方的に大人に引っかき回されてさぁ…。 あっ…」
何かを思い出す皐月。
一瞬テンションが落ちるが、すぐ立ち直る。
皐月「辛いよねっ」
■舞夏と沙耶
舞夏、一夏が食事を取らない事をダイエットに絡めてフォロー。
舞夏「(そう…、まだ手遅れじゃないはず…)」
見つめる沙耶。
沙耶「かわいそうに…。 もう、何も喉を通らないのね…」▼
■瑠唯たちの書いた絵馬を見る4人▼
■一夏
蛍子、みんなを江ノ島へ誘った理由を話す。
蛍子「でも、もうスッキリしちゃった」
蛍子を見つめる一夏。鼓動が聞こえる。目が赤くなる。
一夏「(なに?…、この感覚…)」
一夏、蛍子の横顔が泣き顔に見える。
表面上は何事もなくアイスを食べる蛍子。
一夏、蛍子が見た間違いメールの文面が見える。
バックでは蛍子の泣き声が聞こえる。
一夏「蛍子ちゃんの…、声…?」
一夏、突然立ち上がる。
舞夏「一夏?」▼
一夏、走り去る。
舞夏「一夏!」
舞夏、一夏を追う。
沙耶「もう、目に見えるだけじゃない。 耳も、口も、鼻も。 そして…」
お守りが光る。
一夏「ダメ! いやーー!」
一夏、涙。光の帯に捕まるように変身。▼
■変身後、一夏を見つめる舞夏
舞夏「もう…、ダメなの…?」
■一夏
一夏「人と人の絆を、作り物の電気や道具で、繋ぐ事が出来るものか」
地上から一夏を見る舞夏。
舞夏「一夏…」
一夏「(私…、私…、また勝手に…)」
一夏、涙。
電気が止まり、苦しむ人、困る人。
一夏「(やめて…。 やめて…。 やめてー!)」▼
■皐月
皐月「子供って…、子供って…、一方的に大人に、引っかき回されて…」
■遂に赤い目が戻らなくなる一夏
■沙耶を睨みつける舞夏▼
→ 沙耶が裏で糸を引いている事を、舞夏は知っている?
■一夏、モノローグ
私は、私自身が、恐ろしく、そして信じられなくなっていました。
私は、もう…
■セイ
セイ「一夏ちゃん…、本当の事を話そう…。 俺はね…」
■その他
□日付。江ノ島行きは8月19日。▼
□やはり未知留の妹だった、1話に出てた女の子(瑠唯)▼
→ 1話で沙耶の姿が見えたのは、未知留と同じような能力?
□その筋っぽい蛍子の家▼
・舞夏の「この夏の間だけでいいから友達でいさせて」というセリフ
・舞夏が一夏に隠している事、一夏が舞夏に隠している事
・食事を取れなくなった一夏
・皐月と蛍子
あれは本筋に絡んでくるのか、この作品、物語全体にとって必要なものなのか、意味のあるものになるのか