トップページに戻る

第8話 『散華の衝動』

■一夏の両親と舞夏

パパ「舞夏ちゃん」
舞夏「はいっ? あっ…」

 一夏の両親、真剣な表情。

パパ「舞夏ちゃん…、一夏の事をよろしくお願いします」
舞夏「いやだ、いきなりなに? あらたまって」

 頭を下げる両親。

舞夏「ぁ…」
パパ「あなたがどんな方か、私たちは存じ上げません。
    けれどこの夏はあの子にとって、ここで過ごせる最後の夏なんです。
    その間、あの子の事をよろしくお願いします」
舞夏「大丈夫。 あたし、一夏の事大好きです。 ずっと、ずっと昔から…」

 顔を上げる両親。

舞夏「何があっても、あたしは一夏を裏切りません」

 喜びの表情の両親。

パパ「その言葉だけで嬉しいです」

 両親、顔を見合わせうなずく。

パパ&ママ「ありがとう」

→ 舞夏の「ずっと昔から…」のセリフの時に映った写真


■一夏

 舞夏、絆創膏を探していて宿題のノートとお守りを見つける。

舞夏「あれ? 一夏これどうしたの?」
一夏「もう…、やめたいんです…、それを使うの…」
舞夏「え…?」
一夏「ジンのチカラを使うの、やめたいんです…。 本当は舞夏ちゃんの宿題、でしょ?」
舞夏「うん、いいよ、やめて」
一夏「え…?! 本当に?」
舞夏「その代わり、このお守りは元に戻らないし、一夏に返す事も出来ないけど」
一夏「あぁ…」
舞夏「いいの?」

 一夏、セイの事やお守りを貰った時の事などを思い出す。

 一夏、急に立ち上がり、お守りとノートを受け取る。
 驚く舞夏。

一夏「ごめんなさい…、やっぱり、私…」

 一夏、モノローグ。

ジンのチカラを宿したお守りは、元々、セイさんに貰ったものでした。
私は、どうしてもそれを捨てる事が、出来ませんでした…

 一夏、目が赤くなっている。
 窓の外で鎌のようなもの(マフラーを変形させたもの?)に乗って浮いている沙耶。
 フフッと笑う。


■一夏の夢

夢だ。
またあの夢を見てるんだ。
あの、何度も見た夢…。
でも目が覚めると、いつも忘れてしまっていた、あの夢…。

一夏「舞夏ちゃん…」
舞夏「あたしはあなた…、あなたはあたし…。 ごめんね一夏…。 でもあたしはあなたを…
    殺してしまう…」

 両手を前に差し出し、近づいてくる舞夏。
 舞夏の両手が一夏の首に掛かる。
 赤く染まる海。
 すると逆に一夏の両手が舞夏の首に掛かっている。

 苦しそうな舞夏。
 泣いている一夏。
 月が沈んでいくと共に力の抜けていく舞夏。

 一夏、目を覚ます。
 夢の内容は憶えていない。


■舞夏

 朝。舞夏、一夏が病院の慰問に行ったと聞く。

舞夏「(大丈夫、よね…。 一夏、あんなに嫌がってたもん…)」

→ 舞夏は一夏がジンのチカラを使う事を望んでいない?


■蛍子と皐月

蛍子「なんか、臨くんから連絡ないんだ…」
皐月「メールも?」
蛍子「(うなずく)」


■一夏、舞夏

 入院患者の言葉をきっかけに、目が赤くなる一夏。
 一夏、お守りを取り出す。

 病院へ向かう舞夏。

舞夏「ダメ! 一夏、あなたがそんな事しちゃダメよ」

 病院に近づき、宙にいる沙耶を見つけ、驚く舞夏。

舞夏「あっ…」

舞夏「一夏…」

→ 舞夏は沙耶が見える?(少なくとも変身中は)


■青い目の(普通の)一夏と、赤い目の一夏、二つの意識(人格?)

→ 一人称で語っているのは青い目の方


■病室で何かが起こっているのを感じつつも、入ろうとしてやめる志穂


■一夏

一夏「もしかしたら、あの人は、また…」


■旧校舎の鏡、無くなっている


■一夏、旧校舎

一夏「あぁっ!」

 割れた鏡に映る目、赤い。

一夏「目が…」
   「舞夏ちゃんのせいじゃない…。 舞夏ちゃんのせいじゃない…」

 一夏、突然夢の内容()を思い出す。

一夏「私…、なんて…、嫌な子…」

 一夏、泣き出す。
 舞夏、陰から見ている。

舞夏「一夏…」


■セイからのメール

一夏ちゃん、いろいろ大変な時期だと思うけど、
プレッシャーとか自分に負けちゃいけないよ。
俺には見守る事しかできないけど、ガンバレ。

一夏「セイさん…」

 一夏、モノローグ。

その時の私は、もう、何を信じたらいいのか、分からなくなっていました…
何よりも、自分自身が、分からなくなっていたのです…

 部屋の外に舞夏。

 セイとカイの家。

セイ「このメールを送ったの、お前か?」
カイ「悪い…」
セイ「ルール違反、じゃないのか…?」
カイ「ペナルティを、罰を受けるのは、オレ一人で充分だ…」
セイ「カイ…」


■沙耶

 沙耶の家。
 部屋の中に月明かり。
 旧校舎にあった鏡、出現。
 沙耶の影、出現。鏡に近づいていく。

 沙耶、鏡の前にいる。

沙耶「もうすぐね…」

 沙耶、鏡に触れ、鏡に口づけ。


■その他

□日付。最初の夕食が8月17日(月)、登校日が8月18日(火)。
  → ただし、1話のカレンダー(7月、10月)と矛盾がある(8月18日は水曜のはず)

□水不足
  → 4話でも「最近雨が少ない」というセリフがあった

□茄子をよける舞夏

□丸の付けられたカレンダーの8月31日
  → ちなみに5話の時点では丸は付いていない

□一夏が夢を見たあと目を覚ますと、夢のラストと同じような体勢で眠っている舞夏

□取り壊しの進む旧校舎

□ドライフラワーにかかった一夏の血

□変身解除後、旧校舎から帰宅後、目は青い

□1話から吊されていたドライフラワー(上段 8話、中段左から1,2,5話、下段左から6,7話)


・舞夏に対する一夏の両親の態度
・舞夏は一夏のおばあちゃん、もしくは昔飼ってた犬に何か関係が?
・一夏の夢は沙耶が見せている?(沙耶のカットの後に一夏の夢のシーン)
 → 6話でも沙耶のカットの後に一夏の夢(妄想)のシーン
・一夏の夢、途中で一夏と舞夏の立場が入れ替わったのは
・「ごめんね一夏…でもあたしはあなたを…殺してしまう…」このセリフの文脈の不自然さ(「でも」の部分)
・最初の部屋でのやり取りや、朝のセリフ、舞夏は一夏がジンのチカラを使う事を望んでいない?
 (少なくとも悪意の元に使う事は望んでいない?)
・沙耶は死神?
・病院上空で沙耶を見かけても、話しかけたり、関わろうとしない舞夏
 → 舞夏は沙耶の正体を知っている?
・病院まで行ったにも拘わらず、変身した一夏をフォローしない舞夏
・一夏のもう一つの人格(赤い目)
・ここでカイが言うペナルティとは、
 試しの結末に対するペナルティ?
  → 以前、カイだけがペナルティを受けた。一夏(or舞夏?)にはペナルティを受けさせたくない。
 一夏の手助け(メール)をした事(ルール違反)に対するペナルティ?
  → セイには黙ってメールを送ったのでペナルティを受けるのは自分だけ。
・セイとカイが以前、試しを受けたとして、鏡から出てきたのはおそらくカイ。
 ペナルティを受けたのも、おそらくカイ。
 それなら一夏と舞夏の場合、ペナルティを受けるのは舞夏?


◇茄子について
  → お盆|日本文化いろは事典
    → お盆に作る茄子の牛には、戻ってきた霊が帰る時に乗る、という意味がある為に舞夏は茄子を忌避した?
      ちなみに「ジン」の、作品の公式の表記は「神精霊」

◇蝶をイメージさせる、沙耶のアクセサリーとOPの一夏の変身コスチューム
  8話の美月の病室にも蝶の絵(標本?)が
  → 蝶について
    → 日国.NET【蝶】
      → 胡蝶の夢[goo辞書]
    → 昔、蝶は不吉な昆虫であった福井県の蝶